自分の見た事や体験を描いてこそ面白い文章が書ける
ルポライターの鉄則。おのれの眼で見、耳で確かめて書く行為を省略した文章など信用できない(ルポライター事始 筑摩書房 竹中労著)
体験は多くのことを発見させてくれる
ライティングに関して影響を受けた人物が 2人 いる。まず一人目は竹中労。二人目は岸辺露伴。前者は技法を、後者からは概念を学んだ。「ルポルタージュとは記録の文体である。」とは竹中労の言葉だが、記録というのは、心の中に沸き起こる強い欲求があり、衝動があってこそ書けるのである。全ての人間は生まれながらにして知りたがる傾向がある。一つの事柄に対して、自分の意見だけではなく、他者の意見を知りたがるのは、自分の意見と他人の意見を同じテーブルに並べて、おのれの個性を見出すためである。その行為は優劣をつけるという訳ではなく単純に意見を聞きたいだけ。意見が違えば「こんな見方があるのか」と思い、同じであれば「やはりそうか」と思う。私はその行為こそ、もっとも人間らしく自分を発見するための行為だと思う。